高麗人参を摂ると副作用は起こる?

高麗人参は人体の健康や美容に優れた効果を発揮するとして、古くから珍重されてきた薬用植物です。
高い効能をもたらす一方で、高麗人参の摂取を始めると体質などの個人差により、一過性の体調不良が現れる場合もあります。
この記事では、高麗人参の摂取によって副作用が起こるかに加え、体調不良が起こった際の対処法についてご紹介します。

高麗人参に副作用はあるのか

まず注意したいのは、副作用とは医薬品の使用で生じる可能性のある反応で、使用した医薬品と現れた症状とに、なんらかの因果関係があり得ることを指す言葉です。
高麗人参はその多くが栽培されたものとはいえ、生薬として漢方にも用いられる薬草であり、加工品である健康食品もそれを原料としているので、摂取によって副作用が起こる可能性はないといえます。

高麗人参の摂取で起こる一時的な不調は好転反応

高麗人参を摂取を始めると起こる一時的な体調不良は『好転反応』と呼ばれています。
好転反応とは、主に東洋医学で重視される考え方であり用いられる用語で『瞑眩(めんげん)』とも呼ばれる反応です。
予期していなかった不快な症状がさまざまに現れますが、副作用とはまったく異なり、治療の過程で身体が回復(=よい方向)へ向かう際に起こる、一過性の反応をいいます。
主に漢方や鍼灸治療などの初期段階のほか、サプリメントなどの利用を始めて一週間以内に現れる場合もあるものの、全員に起こる反応ではなく、発生率は全体の10%以下が目安とされています。
好転反応は、人体が快方に向かっている兆しともいえる正常な反応であり、漢方薬などの悪影響による症状ではない点を抑えておく必要があります。
また、好転反応は数時間から3日ほどで鎮まる場合が多く、長引くことは稀といいます。
時間の経過とともに改善されていくため、必要以上に心配することはありませんが、4~5日を過ぎても症状が見られる場合には、摂取を中断して医師への相談が推奨されています。

高麗人参の摂取で現れる代表的な好転反応とは?

身体の反応には個人差があるので、高麗人参の摂取を始めたからと必ずしも好転反応が起こるわけではなく、一過性の不調にもならず効果を実感できる人も多いといいます。
とはいえ、なんらかの不調が現れた場合にあわてないためにも、高麗人参の摂取で起こる好転反応の代表的な症状を知っておくとよいでしょう。

だるさや強い眠気

高麗人参は血行をよくする成分を数多く含んでおり、血行改善に高い効果を発揮します。
その影響で高麗人参の摂取を始めると、体内に溜まっていた毒素や老廃物などの不要物が血中に多く流れ出し、体外への排出が促されるため、一時的に全身のだるさや強い眠気を覚える場合があります。

下痢や頻尿

高麗人参の持つ血行の促進作用によって起こる好転反応には、下痢や排尿の回数の増加なども挙げられます。
血行がよくなると腸のぜん動運動が活性化して便が軟らかくなったり、その反応が強く現れると下痢の症状が起きたりする場合があります。
また、血行をよくする働きの影響で血中に流れ込んだ不要物の排出を促すために、利尿作用が起こると考えられているので、排尿の回数が増える場合もあります。
こうした反応が現れるのは一過性とはいえ、下痢などが強く起こる場合は摂取量を減らしたり、いったん中止したりして様子を見ながら摂るのをおすすめします。

肌のかゆみ・湿疹

血行促進の作用により、血中に不要物が増える影響で肌にかゆみや湿疹が現れたり、皮膚の炎症が悪化したりする可能性もあります。
こうした反応は、人体で最大の排泄器官である皮膚から、老廃物や毒素が押し出される形で排出されるために現れる症状なので、かきむしって悪化させないように注意しましょう。

頭痛

高麗人参には、血管拡張に作用する成分が複数含まれており、これらの働きで脳内の毛細血管の血流が増える影響を受けて頭痛になる場合があります。
血行がよくなると、血行不良による筋緊張型の頭痛なども起こりにくくなるので、高麗人参の摂取を始めたあとに頭痛が起こるのは、好転反応の代表的な症状といえます。

好転反応が起こった際の対処法

好転反応が起こっても必要以上に不安になることはありませんが、辛抱できないほどつらいなど症状が強く現れすぎていたり、一週間以上つづいていたりする場合は注意が必要です。
前述のような不調が現れた場合には、摂取量を通常の1/2にするなど一時的に減らしてみたり、摂取そのものをいったん中断したりするのが推奨されています。
様子を見て症状が治まったのちに、急激な体調変化を避けるためにも、改めて少しずつ摂取を再開しましょう。
また、摂る時間帯を変えて様子を見るのも一つの方法で、仮にだるさや強い眠気を覚える場合、もともと朝に摂っていたものを夜にするなどタイミングを変えると、日中への影響が抑えられます。
上記の対処法でも不快な症状が改善されない場合には、医師や薬剤師に相談したり、購入した製品の販売元に問い合わせたりするのをおすすめします。