高麗人参を効率よく摂取する方法とは?

高麗人参には、有用成分であるジンセノサイドや、各種ビタミンやミネラル類、アミノ酸などの栄養素が含まれています。
ジンセノサイドを中心としたこれらの成分の働きにより、血行をよくする作用や抗酸化作用、自律神経のバランスの整調などに有効に作用し、冷え性や肩こり、腰痛や便秘などの症状の改善や、生活習慣病の発症を予防するといった効果が期待できます。
高麗人参のこうした効能を無駄なく得るには、一日のうちいつ摂取すればよいのかが気になるのではないでしょうか。
この記事では、高麗人参が含む成分がより効果を発揮するための、効率のよい摂取方法についてご紹介します。

基本はいつ飲んでも問題ない

冒頭のように、高麗人参には幅広い健康効果を発揮する成分が含まれており、生薬として漢方に用いられたり、加工されサプリメントなどの健康食品の原料に配合されたりしています。
健康食品として高麗人参を利用する場合は、特別に飲む時間は決められていないので、基本的にいつ飲んでも問題はありません。
薬機法によって医薬品や医薬部外品との混同を防いで区別するために、サプリメント製品にはいつ飲むのかという時間帯の明確な定めはなく、一日の摂取目安量が記載されるにとどまっているのです。
また、健康の増進や維持に役立つ特定の成分を濃縮したサプリメントは、健康食品に分類され、錠剤やカプセルといった形状こそ医薬品に似ていますがまったくの別物なので、仮に飲み忘れても気づいた時に飲めるという利便性があります。
高麗人参には優れた効果が期待できるとはいえ、医薬品とは異なり即効性が期待できるものではないため、いつ飲むのかというタイミングより、毎日継続して飲むのがより重要といえるのです。
なお、高麗人参が原材料に使われている医薬部外品などを利用する際には、用法・用量の記載があるので、それに従って服用しましょう。

高麗人参の形状や目的別の効率のよい摂取方法について

上記のように、高麗人参は基本的にいつ飲んでも問題ないものの、より高い効能を得るために効率よく摂取する方法はあります。
ここでは、高麗人参の形状や、摂取する目的別の効率のよい摂り方についてご紹介します。

漢方薬は食前・空腹時が効率的

高麗人参を生薬に配合した漢方薬の服用は、病院での処方薬とは異なり、食前や空腹時が基本です。
漢方薬をこうしたタイミングで飲むのは、有効成分の吸収率に関わってくるためです。
空腹時の胃の中は強い酸性になっていて、漢方薬に含まれる有効成分の消化や吸収が効率よくおこなわれる一方で、アルカリ性を示す高麗人参のアルカロイドの吸収は緩やかになるメリットがあります。
窒素原子を含むアルカロイドは、成分の中でも強いアルカリ性を示す部類に入る有機化合物のため、胃が酸性の状態で摂るとその吸収を穏やかにし、負担も軽減されるので、空腹時に摂るのが効率的なのです。

高麗人参茶は複数回に分けると効率的

主に乾燥・加工した高麗人参を煎じて飲む高麗人参茶は、一日に2~3回に分けて飲むのが推奨されています。
高麗人参には水溶性成分のビタミンCやビタミンB群が含まれており、これらは一度に大量に摂っても身体に蓄積されずに排出されてしまう性質があります。
抗酸化作用などに役立つビタミンを無駄なく利用するには、こまめに摂るのが効果的なのです。
また、高麗人参を煎じて飲むお茶も、中に含まれる有用成分が、胃酸が強く働く時に効率よく吸収されることから、漢方薬と同様に空腹時の摂取が効果的とされています。

高麗人参茶を摂る際の注意点とは?

医薬品ではない高麗人参茶の場合、明確な摂取量が決められていないので、飲みながら自身の体調の変化を観察しつつ、量を調整する必要があります。
高麗人参の摂取を始めると、胃腸の働きに影響が及んで便が軟らかくなるなどの体調の変化が現れる場合もあるのです。
一日に数回に分けての摂取が推奨されているのは、こうした体調の変化に気づきやすく、それに応じて摂取量の調整をしやすくするためでもあります。
また、個人差はあるものの、いきなり大量に飲むと動悸やめまいが現れる場合があるため、少しずつ試していくのをおすすめします。

血圧が高めの場合の効率的な摂取方法

高麗人参には、有用成分のジンセノサイドの働きにより、自律神経の整調や血液循環に働きかける優れた作用が備わっており、血圧を正常値に保つ効果があると考えられています。
高麗人参が含むジンセノサイドのうちの『ジオール系』は、緊張や興奮をもたらす交感神経に働きかけ、過度に優位になるのを抑えることで血圧を安定させる作用があるためです。
また、副交感神経が過度に優位になると低血圧を招くため、その場合には交感神経を刺激する『トリオール系』の作用によって血圧を高め、正常に保つ効果が得られるのです。
そもそも高麗人参は、血圧を上げる作用に優れているため、高血圧症の人は日中の摂取を避けるのが無難といえます。
そのため、高血圧気味の人が高麗人参を摂取する場合は、一般に血圧が安定傾向になる夕方から夜にかけて摂るのが効率的として推奨されているのです。